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フィンランド銃乱射事件とヘビー・ディープ・エコ思想
教育に関しても、経済的にも、福祉においても、
世界の中でもっとも優等生の国フィンランドで、
9月23日に職業訓練校の男子学生(22)が銃を乱射。
学生ら10人が殺害された。
このようなフィンランドでの銃乱射事件は、去年2007年に続き2件目です。
日本で起きているナイフによる事件と同様に、無差別殺人です。

今回の犯人は22才でしたが、前回2007年の事件は高校に通う18才の男子生徒です。
何故このような事件が起きたのか? 
調べてみると深い真相が見えてきます。
両方ともYouTubuで行動を予告することは似ていて、
最近ヨーロッパの青年に広まっている思想に影響を受けているようなのです。
二人が接触している可能性のある記事も出てきている。
これは僕にとっては、とっても興味深いことでした。
見逃せない事です。

まずは、
18才の男子生徒に関する記事を書き抜いてみますと・・・。

①男子生徒が犯行前に米動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿していたビデオには、22口径の短銃を構えたり、森の中でリンゴを撃ち抜いたりする様子が撮影されていた。ドイツ語で「嵐の霊」を名乗り、「これはオレの戦争だ。人道主義に対する1人の男の戦いだ」「2007・11・7ヨケラ高校虐殺」と犯行を予告していた。
 同校の教師や同級生が現地メディアに語ったところでは、男子生徒は歴史や哲学と同様に極右、極左両思想に興味を持っており、「武装過激派」のようだった。


②犯行予告の動画は、投稿者名を「Sturmgeist89」、題名を「Jokela High School Massacre -- 11/7/2007」(2007年11月7日、ヨケラ高校の大量殺人)とし、大音量のヘビメタ音楽とともに事件現場となった高校の校舎がアップで映され、続いて赤い背景の中でカメラに向かって銃を構えていた。現在同動画は削除されている。
 自己紹介では、「自己の大義のために戦って死ぬつもりだ」「わたしは自然淘汰者として人類の恥、自然淘汰の失敗だとみなす人間全員を抹殺する」「なぜ自分がこういうことをしたのか、何をやりたかったのか、胸に手をあてて考えてみろ。傲慢で視野が狭いお前らには理解できないだろう」などと書き込まれていた。
 また生徒は、事件当時の7日朝にもユーチューブにログインし、米国の学校での銃乱射事件やオクラホマシティのビル爆破犯ティモシー・マクベイ被告を称賛する内容の別の映像も投稿していた。
 事件は7日午前11時43分(日本時間7日午後6時43分)に発生。容疑者は8人を射殺した後、頭を撃って自殺した。
 フィンランドでは、15歳以上で許可があれば銃の所持が可能。スイスの研究機関によると、人口100人あたりの銃所持数は56丁で、米国、イエメンに次いで世界第3位。



上記の内容に関しては、これらから参照↓
①産経新聞の記事
②衝撃のニュース裏解説プレミアム

時間があれば「CNET JAPAN」の記事も参照して欲しい。


これらから推測するに、犯人達はまさにネオナチです。
北方の白人の遺伝的優越性を支持する、人種差別論者たちです。
「最適者生存によって社会は理想的な状態へと発達していく」 という、
適者生存を唱える社会進化論の信者たちでもあります。


今もっとも心配すべきは、犯人らは自らの哲学を正当化しようとして、
エコロジーの概念を変異させて持ち出していることです。
それは「ヘビー・ディープ・エコロジー」と呼ばれようとしている思想です。
まだこの言葉は一般的でないから、それほど知られていないでしょう。

まず「ディープエコロジー」という考えがあります。
地球には適正人口というものがあって、それを超えてはいけないから、
世界人口を抑制すべきという考えです。
エコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint)という環境用語でも説明されています。
このことは、人類が科学的に考慮すべき観点でしょう。

けど、けれど、
さらにこの考えを極論させて、こんなことを言う人がいるのです。

 「『人間にやさしく』ということをあまり(ほとんど)考慮しない。
    エコロジカルにたいせつなのは地球環境であって、
      地球のためなら、できれば(余計な)人類は存在しない方がいい。」


犯人の着ているTシャツには、
HUMANITY IS OVERRATED(人道主義は過大評価されている) とある。
フィンランド銃乱射事件とヘビー・ディープ・エコ思想_f0097429_82942.jpg


ネオナチ御用達の恐ろしい思想です。
まさしく悩乱した思想が蔓延る乱世だ・・・・! と思い知ります。
思想、哲学が乱れて、そして社会も乱れる。
まさにこの方程式です。


「ヘビー・ディープ・エコロジー」を打ち破る「人道主義(HUMANITY)」の哲学が、
今まさに求められています。
それを知るのは、誰でしょうか?
広めるのは、誰でしょうか?




参考ネット記事
内田樹の研究室「与ひょうのロハス」
王子さまのきつねOnLine「ヘビー・ディープ・エコとポトポト派」
葉っぱの歩行と記憶「ディープエコ/ロハス」
佐藤秀の徒然「ディープエコロジーという過激宗教」
エコロジカル・フットプリントをご存知ですか
Deep ecology Wikipedia
by eaglei | 2008-09-26 23:59
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